ゴアテックス(レインウェア)のメンテナンスと保管方法 〈洗濯・撥水加工・熱処理〉

雨の多い日本の山では、レインウェアは必須の装備ですね。

また、雨や雪が降らなくても、冷たい風邪を防いでくれるので、冬場のシェル(アウター)としても大活躍してくれます。

そして、少しくらいの雪遊びや雪かきなどにも、GORE-TEX(以下、ゴアテックスと記載)などの高性能のレインウェアは活躍します。

ゴアテックスといえば、高い防風や防水性が注目されますが、汗をかいた時の透湿性こそが、ゴアテックスを選ぶべき理由かもしれません。

雪かきなどをしてみるとわかりますが、動いているうちに、どんどん暑くなって、透湿性の低い、ただ温かいだけのウェアは、暑くてとても着ていられなくなります。

重たい荷物を背負って登る、登山やトレッキングも同じで、外気温が低くても体温が上がり、汗をかきます。

もちろんベースレイヤーで、しっかりと汗の処理をすることが、非常に需要なのですが、アウターの透湿性も重要です。

そんな年間を通して活躍してくれる、頼もしい高性能なレインウェアも、メンテナンス次第では、その性能が十分に発揮されないことも。

あなたは、レインウェアのお手入れ(メンテナンス)を、どのように行っているでしょうか?

最後に、めんどくさがり屋の私にもできる、簡単メンテナンス方法も紹介しています。


🔳 メンテナンスのポイント

まず最初に、せっかちなあなたのために、メンテナンスのポイントを書いておきます。

あらかじめ撥水加工がされている製品は、洗濯で汚れを落とすことで、本来の撥水性能も回復します。
撥水加工は、汚れの上から施しても撥水剤が定着せずに、十分な効果が発揮されませんので、まずは、汚れを落とすことが重要です。
お肌のお手入れ(メンテンス)と一緒ですね!

🔳 レインウェアの性能が低下する理由

風雨にさらされる厳しい自然環境下での行動を、安全・快適なものにして、体力を温存できるかは、レインウェアの日ごろのメンテナンスに、大きく左右されてしまいます。

現在、主流となっているレインウェアの多くは、ゴアテックスなどの防水透湿性素材を採用しています。

「防水透湿性素材」とは、雨など液体の水は通さず、ウェア内部の蒸れ(水蒸気)だけ通す構造をもった優れた素材です。

しかし、

メンテナンスを怠り、撥水性能が低下すると、付着した生地表面の水が織り目を塞ぐため、水蒸気の逃げ道がなくなり、ウェア内部で結露してしまいます。

つまり、しっかりとメンテナンスをしてあげないと、ゴアテックスなどの持つ高い「防水透湿性能」が発揮されくなってしまうということです。

それでは、本来のゴアテックスなどが持つ高性能を維持するためには、どのようなメンテナンスをすればいいのでしょうか?

🔳 メンテナンスのカギは「洗濯」

生地に付着する汚れは、目に見えにくいものが多く、特に雨天使用時は、大気中のさまざまな汚れが付着します。

真っ白に見える雪も、意外と汚れているものです。

ゴアテックスが持つ高い性能を維持するためには、そのような環境下で使用したレインウェアを、適切に洗濯をすることが大切です。

洗濯をすることにより、表面に付着した汚れを落とし、撥水性能を回復させ、高い「防水透湿性能」を持続することができます。

レインウェアを洗いすぎると、洗濯による生地へのダメージが心配なので、使用するたびに毎回洗うのは洗いすぎだ、という意見もありますが、レインウェアを使用後、そのまま保存することで受けるダメージと比較すれば、丁寧な洗濯による生地へのダメージのほうが、格段に少ないでしょう。

それに、毎日使用して、毎日洗濯するわけではありませんよね。

多くても月に数回の話です。

ということで、防風対策などで、ちょっと羽織った時以外は、レインウェアを使用するたびに洗濯することが望ましいようです。

こまめに洗濯することで、レインウェアの寿命を、格段に延ばすことができます。

きちんとメンテナンスしてあげれば、10年くらいは使用できると、アウトドアショップのスタッフの方に聞いたことがあります。

仮に10年使用するとすれば、ゴアテックスが少しくらい高価であったとしても、中途半端な素材のレインウェアを選ぶよりも、コストパフォマンスは良いということになりますね。

もしもウェアが、黒などのダークな色だった場合(レインウェアのパンツなど)、ただでさえ汚れが目立たない上に、目に見えない汚れが多いということは、洗濯していないレインウェアは、けっこう汚れているということになります。

そして、そんな状態で、撥水加工をしても、十分な効果は得られません。

🔳 メンテナンス方法

それではまず、ゴアテックスの公式サイトによる、お手入れ方法の確認です。
サイトには、以下のように書かれています。

長くご愛用いただける GORE-TEX® プロダクトは、お手入れも簡単です。
高機能を備えたウェアを、長期間着用していただくためには、日頃のメンテナンス&ケアが大切です。
取扱いには、タグに表示されたメーカー推奨手順に従ってください。

お手入れは簡単と書かれていますが…

次に、ゴアテックスの公式サイトによる、洗濯機を使用した洗濯の方法をみてみます。

洗濯機に入れる前に、ウェアのジッパーやベルクロをすべて閉じてください。
機能性を維持するために、必ずメーカーの取扱い表示に従ってください。

● 洗濯手順
・ぬるま湯(40°C)で、液体洗剤を少なめに入れ、洗濯機で洗ってください。
・すすぎは2回以上行ってください。
・粉末洗剤や柔軟剤、漂白剤、染みぬき剤は使用しないでください。
・泥汚れのひどい服とは一緒に洗わないようにしてください。

● 漂白
・塩素系漂白剤は、使用しないでください。

● 乾燥
・軽く脱水した後、吊り乾しするか、標準温度に設定した乾燥機で乾かしてください。
・ウェアが乾いてから、さらに20分以上を目安に温風で乾燥機にかけると、撥水回復に役立ちます。

●アイロン
・乾燥機を使わずに、撥水機能を回復させるには、アイロンも効果的です。
・ウェアが完全に乾いてから、温度は低温に設定し、スチームなし、あて布をしてアイロンをかけてください。

● ドライクリーニング
・ゴアでは、ウェアは家庭で洗濯することを推奨しています。
・もし、ドライクリーニングを利用する場合には、すすぎにはきれいな溶剤を使用するようにクリーニング店にお伝えください。
・ドライクリーニングをした後は、ウェアの表生地に撥水加工をする必要があります。
・ウェアメーカー指定の手順に従ってください。

● 撥水加工
・洗濯や加温をしても撥水性能が回復しなくなってきたら、市販の撥水剤のご利用をおすすめします。
・撥水剤は、アウトドアショップなどで販売されているウェア用のものをご利用ください。

● 特殊なメンテナンス
・ネオプレンブーツと一体化している釣り用ウェーダ―は、低温の水で手洗いし、そのまま吊干ししてください。
・柔軟剤は使用しないでください。

出店:https://www.gore-tex.jp/support/care/washing-instructions

こちらに書かれていることは、メーカーが言っていることですので、最低限、守ったほうがいいでしょう。

それを踏まえて、私のメンテナンス方法をご紹介したいと思います。

🔳 私のメンテナンス方法

レインウェアのメンテンス方法は、上記のようなゴアテックスの公式サイトや、モンベル、パタゴニア、ザ・ノース・フェイスなどの主要山岳ブランドでも、こまめにで家庭で洗濯することを推奨しています。

ということで、私も家庭の洗濯機でメンテナンスを行うことにしました。

洗濯機が使えるレインウェアと、使えないレインウェアがあるため、洗濯する前に必ず、洗濯絵表示のタグを確認し、使えない場合は手洗いにする必要がありますが、今回は、洗濯機が使えるレインウェアということで話を進めていきます。

洗剤は、通常の洗濯用のアルカリ性洗剤ではなく、中性洗剤を使用します。

私が使用しているのは、いつもお世話になっているモンベルのメンテナンス用品です。

洗剤は、「O.Dメンテナンス ベースクリーナー」で、

撥水剤は、「O.Dメンテナンス S.Rウォッシュイン」です。

撥水剤は、「エアゾールスプレータイプ」や「リキッドタイプ」もありますが、めんどくさがり屋の私が選んだのは、「つけ込みタイプ」の「O.Dメンテナンス S.Rウォッシュイン」です。

その理由は、後ほど。

□ 下処理

ます、目立った汚れやシミなどには、直接「O.Dメンテナンス ベースクリーナー」を塗布して汚れを落とします

これをやらないと、選択後もシミが残っていることがありますので、ここは、めんどくさがらずにやったほうがいいです。

こちらは、通常の衣類での食べこぼしや、Yシャツの襟や袖に、洗剤をポイント的に塗布するのと、考え方は一緒ですね。

□ 洗濯

ウェアのジッパーやベルクロタブをすべて閉じ、フードが収納タイプ場合は、取り出して広げ、コード類はすべて緩めます。

それらの準備が出来たら、ウェアごとに個別に洗濯用ネットに入れます。

洗濯ネットに入れないと、ウェア通しが絡まってしまいますので、めんどくさがらずに、洗濯ネットに入れましょう。

洗剤は、先ほど紹介した、モンベルの「O.Dメンテナンス ベースクリーナー」を、規定の分量を入れて、デリケートコースで洗濯を開始します。

できれば、ぬるま湯の方が望ましいのでしょうが、風呂の残り湯を使うのも面倒くさいし、洗える時間も限定されてしまうので、モンベルの「O.Dメンテナンス ベースクリーナー」の表書きに書かれている「常温水でしっかり洗える」という言葉を信じて、そのまま水道から供給される水で洗濯しています。

□ すすぎ

すすぎ残しがあると、撥水性低下の原因になります。

また、すすぎが不十分だと、シミになる恐れがあるので、水道代をケチらず、多めにすすぎを行った方が良さそうです。

すすぎの回数は、2回以上が推奨されています。

私の場合は、3回+注水にしています。

□ 撥水加工

レインウェアのメンテナンスでは、すすぎのあとは、乾燥工程になると思いますが、私の場合は、そのまま撥水加工までしてしまいます。

文章にしてしまうと、文字数は全く一緒(↓)ですが、

洗濯→すすぎ→乾燥→撥水加工

よりも

洗濯→すすぎ→撥水加工→乾燥

のほうが、作業時間的に短縮できるので、めんどくさがり屋の私には向いています。
そのため、すすぎを3回+注水にしています。

3回すすぎを行って、4回目の注水で溜まった水に、つけ込みタイプの撥水剤「O.Dメンテナンス S.Rウォッシュイン」を規定の分量投入します。

そして、再度、10分程度洗濯機を回します

つけ込みタイプの撥水剤「O.Dメンテナンス S.Rウォッシュイン」を使用するメリットは、ムラなく全体に撥水加工が出来る点です。

また、洗濯後に乾燥を待たずに、そのまま作業ができるところも気に入っています。

□ 脱水

撥水素材ウェアは、生地が水を通さないため、脱水を行うと大きな遠心力がかかり、洗濯機が故障する原因になります。

そのため、通常、レインウェアの脱水は、推奨されていません。

しかし、私は、手動で数十秒だけ脱水を行って、軽く水を切り、洗濯機から取り出せる状態にします。

これをやらないと、洗濯機のまわりがびしょびしょになってしまいます。(なりました笑)

□ 乾燥

次の工程は、乾燥です。

洗濯機と同様に、乾燥機を使えるレインウェアと、使えないレインウェアがあるため、必ずタグをチェックしてください。

乾燥機が使えない場合は、直射日光に当たると、生地劣化の原因になるため、風通しの良い場所で陰干しして自然乾燥させます

軽く脱水した後、そのまま乾燥機を使用して乾燥させてもいいようですが、びしょびしょのものを乾燥機で乾燥させるのは、ちょっと抵抗があるので、私はやっていません。(ウェアをいちど取り出して絞ってから、洗濯機に戻すのも、面倒なので…)

洗濯機と乾燥機が一体の洗濯機であれば、始めから最後まで洗濯機内からウェアを取り出すことなく、一連のメンテンスが完了させることも出来ます。

実は、めんどくさがり屋の私には、その方法がとても魅力的に思えて、はじめは、この方法でメンテナンスを行おうと思っていたのですが、やりながら、違う方法を思いつきましたので、その方法で行っています。(→熱処理を飛ばして、乾燥+撥水加工へ)

□ 熱処理

素材に熱を加えることによって撥水性が強化されるため、ウェアが乾いたあとは、あて布をしてアイロンをかけたり、この時点で乾燥機を使用したりして熱処理を行います。

アイロンをあてる場合は、あまり強く抑えすぎないのがポイントです。

しかし、普段からアイロンがけをしている人であればいいのですが、アイロンがけは、慣れないと意外に難しい、というのが個人的な意見ですので、私はやりません。(つまり、アイロンが苦手。しかも、めんどくさい。更に言うとアイロンを使い慣れていないので、レインウェアへのアイロンがけに対して不安もある。)

アイロンも乾燥機もない場合は、ドライヤーで熱風をあててあげるだけでも違うみたいですよ。(これならできそう!)

□ 乾燥+撥水加工

めんどくさがり屋の私が、洗濯・すすぎ後に、思いついた最終工程は、乾燥機を使う方法ではなく、次の方法です。

軽く脱水をして、洗濯機から取り出せる状態にしたら、洗濯ネットから取り出して、シワを伸ばして、浴室乾燥機の下に、ハンガーにかけて吊るします。

そして、浴室乾燥機のスイッチをオン!

これで、数時間後には、ほとんどシワがない状態で仕上がっています。

もしも、これだけでは熱処理に不安があるという方は、その後に乾燥機を使ったり、アイロンをかけたり、ドライヤーをあてたりと、お好みの方法で追加の熱処理をしてもいいかもしれません。

なかには、布団乾燥機を利用しているなんて方もいるようです。

しかし、私の場合は、そのまま、パイプハンガーに吊るして、次回の使用まで保存します。

几帳面な性格の私にとって、シワが少ない状態で仕上げることも、重要なポイントです。

浴室乾燥機がついている方は、ぜひいちど、試してみて下さい。

🔳 レインウェアの保管方法

ところで、使用しない時のレインウェアの保管は、どうしていますか?

登山へ持参して雨が降らず、レインウェアの出番がなかった場合、そのままスタッフバッグに入れたまま、次回の登山まで収納してしまいがちです。

しかし、

面倒かもしれませんが、一回一回中身を出して、風通しの良い場所で吊るしておいたほうがいいです。

折り目がついたままだと、生地にダメージがかかってしまいますし、シワも多くなります。

また、これをあえてやる人は、いないかもしれませんが、直射日光があたる場所での保管は、紫外線がダイレクトに生地にあたり、劣化の原因になるのでやめましょう。

そんなつもりがなくても、窓側に吊るしておくと、時間帯によっては日が当たっている場合がありますので、注意が必要です。

そして、高温多湿の場所に保管すると、カビが発生したりするので、湿気が少ない風通しの良い場所で保管しましょう。

車の中に入れっぱなしというのも、レインウェアに限らず、よろしくないですので、気をつけましょう。

🔳 ダウンのメンテナンス

ついでですので書いておくと、レインウェアだけでなく、ダウンの汚れやシワが気になる方も多いと思います。

ダウンのメンテナンスは、モンベルから同様に「O.Dメンテナンス ダウンクリーナー」というものが発売されています。

こちらは、「O.Dメンテナンス ベースクリーナー」よりも洗浄力が低く、襟の皮脂汚れなどが落ちずらいというデメリットもあるのですが、ダウンのタンパク質にダメージを与えない中性洗剤となっていますので、ダウンジャケットのメンテナンスは、こちらの「O.Dメンテナンス ダウンクリーナー」をにしておいたほうが安心です。

そして、ダウンジャケット場合、撥水加工は、「つけ込みタイプ」ではなく、「エアゾールスプレータイプ」や「リキッドタイプ」のほうが向いています。

●エアゾールスプレータイプ

●リキッドスプレータイプ

ちなみに、ダウンのシワ取りだけであれば、シワの部分にアイロンのスチームを当ててあげる方法でも、取ることが出来ます。

🔳 おわりに

今回のメンテンス方法は、ゴアテックス製品に限定されるものではありません。

たとえば、買ったばかりの撥水のウインドシェルなどの、シワや折り目が気になることはありませんか?

コンパクトに収納して持ち運ぶこともあるアウトドアウェアですので、完全にシワや折り目がない状態で着ることは、現実的ではありません。

しかし、なかにはタウンウェアとして着たい場合もあると思います。

その場は、できるだけシワや折り目をなくして着たいと、私なら思ってしまいます。

そんなとき、アイロンのスチームを当てるという方法もありますが、今回、紹介したメンテナンス方法も有効です。

たとえ汚れていなくても、丁寧に洗ってシワを伸ばして干すことで、折り目やシワが気にならなくなり、撥水加工まで出来てしまいます。

以上、私がおこなっている、レインウェアなどのメンテナンス方法でした。

ゴアテックスやアウトドアブランドが公表している情報などにも、しっかりとチェックした上で、もしも参考になる点があれば、参考にしていただけると幸いです。

◆ シェアして頂けると嬉しいです!