SNSで儲けようと思ってないですよね? 福田淳 著【要点&感想】

今回は、ブランド コンサルタント福田淳氏の『SNSで儲けようと思ってないですよね?』という本を紹介します。
サブタイトルは、「世の中を動かすSNSのバズり方」ですが、いったいどんな方法が書かれているのでしょうか?
さっそく概要からみていきましょう。


🔳 概要

この本は、191ページと薄く、文字数も多い方ではないので、すぐに読み終えることが出来る本です。

じっくりと腰を据えて読むと言うよりは、薄くてかさばらないので、カバンの中などに忍ばせておいて、隙間時間などに読むような読み方が適している感じです。

女優の “のん” さんが帯に起用されているので、書店で思わず手が伸びてしまいました。

タイトルやサブタイトルからすると、SNS(ソーシャルメディア)について書かれた本であることは分かると思いますが、サブタイトルにある「世の中を動かすSNSのバズり方」の具体的なノウハウ的なもを期待して読む本と、少し期待はずれになるかもしれません。

もっと根源的というか、「SNSをどう使ったら売上が上がるのか?」などの表面的なテクニックやノウハウではなく、エンタメ業界でメディア全般の変遷を30年間にわたり見続けた著者が考える「SNSの正しい使い方」が書かれています。

また、著者の武勇伝的内容も随所に登場します。

では、どのようなことが書かれているのか、みていきましょう。

🔳 要点

□ はじめに. SNSは正しく使わないと意味がない

・21世紀におけるビジネスの成功のカギは、「SNSの正しい使い方を知っているかどうかにかかっている」と言っても過言ではない。

SNSは、単なる「安価な宣伝広告」としてではなく、「ブランディング」として捉えるべきもの。

□ 第1章. グーグルの検索は、もはや必要ない

・スマホユーザーのスマホ利用時間は、この10年間で約10倍になり、そのうちの7割をSNSに費やしている。(主に10代)

・「ググる」より「SNS」で聞く時代になった。

・グーグルの検索にまったく引っかからないネット活動が爆発的に増えている。

いまや、多くの人が、必要な情報は「パソコンのグーグル検索」からでなく、「スマホのSNS」から得ている。

SNSの登場により、多くのユーザーは、かつての4媒体メディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)には、「自分たちの知りたい情報はない」と感じている。

・そして、多くのユーザーは、4媒体メディアの代わりにユーチューブ、ニコニコ生放送、ツイッター、フェイスブックなどを見ている。

・大量生産したものを、4媒体メディアでの広告を駆使して売ってきた「20世紀型ビジネス」は、すでに死んでいる。

マスメディアを活用したブランディングがメインだった「20世紀型ビジネス」は、ソーシャルメディアを活用したブランディングの「21世紀型ビジネス」へ大きく様変わりしている。

・21世紀のビジネスは、ブランディング理念のあるなしで決まる。

・SNS以前に大切なのは、モノ・サービスのブランディング設計である。

・「今期の売上目標を、前年比より何パーセントあげられるか」という目先の数字だけしか見ていないようでは、今の時代にSNSを使いこなすことはできない。

・SNSでは、嘘が命取りになる。

・SNSでバズるのは、本当にいいものだけ。コンテンツそのものに魅力がなければユーザーの心をつかむことはできない。

□ 第2章. 儲けを考えない、すると儲かる時代

・世の中は「わらしべ長者」で成り立っている。社会に良いことをして、その連鎖でお金が帰ってくるというのが、実は経済フローの仕組み。

・大切なことは、「そのサービスや商品は、本当に世の中に必要なのか」という視点で物事をみること。

・「アイディアで世の中を良くするには、どうしたら良いのか?」という発想が前提となっているビジネスモデルが「ソーシャルデザイン」。

インターネットという「双方向性」により、社会に役立つことがビジネスになる時代になった。

・今のSNSの潮流の根底には、「みんなといいことを分け合いたい」という時代の気分がある。

SNSを有効活用するコツは、ポジティブ&ハッピー

□ 第3章. SNS ヒットのネタはこう探す

「新しいことはすべて自己表現の手段にできる」というのが、今のソーシャルメディア時代。

・SNSを有効活用するためのブランディング力に力をつけるには、自分の「好き」や興味関心を深掘りすること。

・ネット文化最大の弊害は「1次情報の不在」。

・ネット情報というのは、すべてが「アーカイブ」。それは「1次情報」に触れることができるマーケットではない。

ネットの弊害は、世の中すべてが「コピペ・スクショ文化」になってしまったこと。

・「コピペ・スクショ」の世界からリアルな街に飛び出して、常に1次情報に触れることが大切。

多くの人がネタにしたり、キュレーションされた情報は、すでに「賞味期限切れ」と認識すべし。

SNSをうまく活用するためには、クリエイティブ能力以前に、「街で」「自分で」拾い上げた1次情報を整理し、アウトプットする力を身につけるのが先決。

□ 第4章. SNSのバズらせ方

今、若者はどこにいるのか?その答えは・・・「スマホの画面の前にいる」。

・引きこもり文化の代表だったネットメディアが、スマホの登場でユーザーを再び外へ連れ出した。

SNS戦略のキーワードは「セルフィー(自撮り)文化」。

・ソーシャルメディア時代においては、「人がメディア」ととらえることがカギになる。

・ソーシャルメディアにおいて、ユーサーは「ライブラリー」よりも「ライブ」を求めている。

・セルフィー、シェアしたくなるようなライブ感のある表現が大切。

多額の広告を投入してメディアを買うのではなく、「人をメディアにする」あるいは「自分がメディアになる」というSNSの使い方を熟知し、うまく使っている人、企業こそが、モノをたくさん売り、多くのヒットを生んでいる。

・ユーチューバーやインスタグラマーなど「ソーシャルスター」に注目する。

・ソーシャルメディア時代を生き抜くために、絶対的に必要なのはアイディアであり、ブランディング力である。

オリジナルが出尽くした今、すべてのコンテンツは「組み合わせ」によって成り立っている。

🔳 おわりに.

リアルに21世紀を創っているデジタルネイティブ世代の人は、おそらく、この本を読むことはないでしょう。

一方、20世紀型のビジネスから脱却したい世代の人、現代の現状や上記のデジタルネイティブ世代を理解したい人にとっては、得るものがあるかもしれません。

第4章の「SNSのバズらせ方」にこそ、興味がある方も多いとは思いますが、残念ながら、手っ取り早くバズらせる方法は、この本には書かれていません。

というか、そもそも、そんなの方法はないのかもしれません。

読み終えて初めて『SNSで儲けようと思ってないですよね?』というタイトルに込められた意味がわかるような気がします。

人は、なかなか価値観を変えられないものですが、「20世紀型のビジネスがすでに終わっている」という事実を受け入れるのには、役立つ本だと思います。

気になった方は、是非、読んでみて下さい。

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